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プロポーザル方式と一般競争入札の違いとは?自治体の6つの契約方式を比較

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合同会社アイフィルムの小池です。

自治体の映像制作やイベント運営の募集を見ていると、「一般競争入札」「指名競争入札」「公募型プロポーザル」「随意契約」など、いくつもの言葉が出てきます。どれも「事業者を選ぶ方法」ですが、選ばれ方も、事業者側が準備するものも大きく違います。

自治体が使う契約方式を法律の根拠とあわせて比較し、映像制作・イベント業務でよく見かける方式と、参加する側・発注する側それぞれが準備しておきたいことをまとめました。入札参加の基本的な流れは「自治体の映像制作案件、入札参加の基本フロー」で紹介しています。

自治体の契約方法は法律で決まっている

民間企業なら、付き合いのある会社に直接仕事を頼むこともできます。自治体の契約は税金を使うため、選び方が法律で決められています。

地方自治法第234条第1項では、自治体の契約は「一般競争入札、指名競争入札、随意契約又はせり売り」のいずれかの方法で結ぶと定めています。そして第2項で、一般競争入札以外の方法は「政令で定める場合に該当するときに限り」使えるとしています。誰でも参加できる一般競争入札が原則で、それ以外は条件を満たしたときの例外という位置づけです。

「せり売り」は物を売るときの方法なので、映像制作やイベント業務の発注で関係するのは、一般競争入札・指名競争入札・随意契約の3つです。プロポーザル方式や総合評価方式は、この3つの中の「選び方の工夫」として運用されています。

6つの方式を比較表で整理

よく使われる方式を一覧にすると、次のようになります。

方式選ばれ方参加できる事業者主な根拠向いている業務
一般競争入札予定価格の範囲内で、最も安い金額を出した事業者公告された参加資格を満たす事業者なら誰でも地方自治法第234条、施行令第167条の5・第167条の6仕様がはっきり決まっていて、誰がやっても成果が同じになりやすい業務
指名競争入札指名された事業者の中で、最も安い金額を出した事業者自治体から指名された事業者だけ施行令第167条、第167条の11・第167条の12参加できる事業者が限られる業務など
総合評価方式価格と、技術・品質などの点数を合わせて最も有利な事業者入札の参加資格を満たす事業者施行令第167条の10の2(指名競争入札では第167条の13で準用)仕様は決まっているが、品質の差も評価したい業務
随意契約(少額)自治体が相手を選んで契約。複数社の見積を比べることもある自治体が見積を依頼した事業者施行令第167条の2第1項第1号金額が小さい業務
公募型プロポーザル企画提案書とプレゼンを審査し、最も適した事業者を選んで随意契約募集要領の参加資格を満たす事業者なら応募できる施行令第167条の2第1項第2号企画力・専門性・創造性が成果を左右する業務
指名型プロポーザル指名された事業者の提案を審査し、最も適した事業者を選んで随意契約自治体が提案を依頼した事業者だけ施行令第167条の2第1項第2号同上(提案できる事業者が限られる場合など)

大きく分けると、「価格で選ぶ方式」(一般競争入札・指名競争入札)、「価格と品質の両方で選ぶ方式」(総合評価方式)、「提案内容で事業者を選ぶ方式」(プロポーザル)の3つの考え方があります。

それぞれの方式のしくみ

一般競争入札:誰でも参加でき、価格で決まる

自治体は、参加に必要な資格や入札の場所・日時などを公告し(施行令第167条の6)、資格を満たす事業者が金額を書いて入札します。原則として、予定価格(自治体が上限として決めた金額)の範囲内で最も安い金額を出した事業者が落札者になります。

仕様書で作業内容が細かく決まっているほど、価格だけで比べやすくなります。

指名競争入札:自治体が声をかけた事業者だけで競争

施行令第167条では、契約の性質や目的が一般競争入札に適さない場合、参加できる事業者が少ない場合、一般競争入札にすると不利になる場合などに、指名競争入札が使えるとしています。自治体は、資格のある事業者の中から参加者を指名して通知します(施行令第167条の12)。

総合評価方式:価格と品質を点数で比べる

施行令第167条の10の2では、価格だけでなく「価格その他の条件」が最も有利な申込みをした事業者を落札者にできると定めています。あらかじめ落札者を決める基準(落札者決定基準)を定め、その際と落札者を決める際には学識経験者の意見を聴きます。一般競争入札で行う場合は、総合評価方式で行うことと落札者決定基準を公告する必要があります。

上越市のプロポーザルのガイドラインでは、調達する内容が具体的に特定でき、その中で技術提案を加味して評価できる場合は総合評価競争入札によるとして、プロポーザルと区別して説明されています。

随意契約:入札をせずに相手を選ぶ

随意契約は、入札を行わずに相手を選んで契約する方法です。施行令第167条の2第1項に使える場合が9つ挙げられており、代表的なのが「少額の契約」(第1号)です。少額の上限は令和7年4月1日に引き上げられました。

契約の種類都道府県・指定都市指定都市以外の市町村
工事・製造の請負400万円200万円
財産の買入れ300万円150万円
物件の借入れ150万円80万円
上記以外(業務委託など)200万円100万円

※総務省「随意契約の基準額の見直しについて」より一部抜粋。実際の金額は、この範囲内で各自治体の規則で定めます。

映像制作やイベント運営の委託は「上記以外」にあたることが多く、この金額以下であれば、複数の事業者から見積書を取って比べる「見積合わせ」で決まることもあります。

プロポーザル方式:企画提案で「事業者」を選ぶ

プロポーザル方式は、企画提案書とプレゼンテーションを審査して、業務を任せるのに最も適した事業者を選ぶ方法です。上越市のガイドラインでは、施行令第167条の2第1項第2号(性質または目的が競争入札に適しないもの)に基づく随意契約の相手を選ぶための手続きと位置づけています。選ばれた事業者は、自治体と仕様を協議して随意契約を結びます。

同じガイドラインでは、企画案そのものを選ぶ「企画コンペ」とも区別しています。プロポーザルで選ぶのはあくまで「事業者」で、提案はその事業者の考え方や実力を判断する材料です。

映像制作・イベント業務で使われやすい方式

映像やイベントは、同じ予算でも企画や演出によって成果が大きく変わります。そのため、提案内容で事業者を選ぶプロポーザル方式が選ばれやすい分野です。

上越市のガイドラインでは、プロポーザルの対象業務の例として、高度・専門的な企画力などが求められる業務に「プロモーション媒体制作」が、芸術性・創造性を要する業務に「催事、公演、イベント等の業務」が挙げられています。実際に上越市では「広報上越」の作成印刷業務委託がプロポーザルで実施され、新潟県でも観光企画課が「小学生向け観光副読本制作業務」を公募型プロポーザルで募集しています。

作業内容がはっきり決まっている業務は、入札や見積合わせで発注されることもあります。どの方式になるかは案件ごとに自治体が判断するので、公告や募集要領で確認してください。

参加資格・スケジュールと事業者側の準備

参加資格は自治体ごとに違う

入札に参加するには、多くの場合、その自治体の入札参加資格者名簿への登録が必要です。ただし、登録の仕組みは自治体によって異なります。

  • 新潟県:物品の入札参加資格の登録制度はありますが、役務(業務委託)の登録制度はなく、「広告・映像製作等」は入札のたびに参加資格を定めて実施されています。
  • 新潟市:「物品」と「業務委託」の2種類の入札参加資格者名簿があります。公募型プロポーザルでも、新潟市の入札参加資格者名簿への登録を参加要件の一つにしている例があります(名簿に登録していない場合は、別に定めた要件をすべて満たすことが条件)。

プロポーザルの参加資格は募集要領ごとに決められ、同種業務の実績などが求められます。名簿に登録していない事業者には、税を滞納していないことなどの要件を別に定めている例もあります。

スケジュールの実例

新潟県の「小学生向け観光副読本制作業務」(公募型プロポーザル、見積限度額500万円・税込)の日程は次のとおりでした。

項目日程
公募開始8月26日
質問書の提出期限9月2日
質問への回答掲載9月9日
参加申込書の提出期限9月14日
企画提案書などの提出期限9月17日
プレゼンテーション審査(Web)9月24日
審査結果の通知9月30日

公募開始から結果通知まで約5週間です。業務の規模によってはさらに長くなり、新潟市の図書館の窓口業務のプロポーザルでは、公募要項の配布から企画提案の説明まで2か月以上の日程が組まれていました。上越市のガイドラインでは、参加申込の期間は原則10日以上、企画提案書の提出期間は原則1か月以上を確保するとしています。

事業者が準備しておきたいこと

  • 入札参加資格の登録:申請の受付期間が決まっている自治体もあるので、参加したい自治体の受付時期を早めに確認しておきます。
  • 実績の整理:プロポーザルでは同種業務の実績が問われることがあります。業務名・発注者・時期・内容を一覧にしておくと、提出書類がすぐに作れます。
  • 評価基準を読み込む:プロポーザルの採点は、募集要領の評価基準に沿って行われます。新潟市のある公募型プロポーザルでは、提案内容90点・業務遂行能力30点の計120点で評価され、同点の場合は見積額の低い方を上位とする決まりでした。どこに配点が多いかを見て、提案書の厚みを決めます。
  • 質問期間を活用する:仕様で分からない点は質問書で確認できます。上越市のガイドラインでは、回答を参加者全員に通知するかホームページで公開するとしており、ほかの参加者の質問も参考になります。

発注担当者が方式を選ぶときの考え方

  • 成果物の仕様を細かく書ける業務は、入札や見積合わせで価格を比べやすくなります。
  • 企画や演出の良し悪しが成果を左右する業務は、プロポーザルで提案内容を比べる方が目的に合いやすくなります。
  • プロポーザルは提案書の作成に事業者側の時間がかかるため、提案期間を十分にとると、内容の濃い提案が集まりやすくなります。

よくある質問

Q. プロポーザルでは、見積額が一番安い事業者が選ばれますか?

価格だけで決まるわけではありません。提案内容や実施体制などを評価基準に沿って採点し、最も適した事業者を選びます。見積額を評価項目に入れるか、どの程度の配点にするかは案件ごとに違うので、募集要領の評価基準を確認してください。

Q. 募集要領の「見積限度額」は、そのまま契約金額になりますか?

見積限度額は、提案の上限として示される金額です。上越市のガイドラインでは、事業者を選んだ後に見積書を取り、予定価格の範囲内で契約する流れになっています。提案内容と見積の内訳は合わせておきます。

Q. プロポーザルは随意契約なのに、公平なのですか?

プロポーザルは、随意契約の相手を選ぶ過程を公開し、委員会(上越市の場合は選定委員会)が評価基準に沿って審査する方法です。公募型であれば資格を満たす事業者は誰でも応募でき、上越市のガイドラインでは、業務の概要と審査結果をホームページなどで公表するとしています。

Q. 入札参加資格の登録をしていなくても参加できますか?

自治体や案件によって異なります。新潟県のように役務の登録制度がなく、案件ごとに参加資格を定める自治体もあれば、新潟市のように名簿への登録を参加要件の一つにしている例もあります。参加したい自治体の入札・契約のページと、各案件の公告・募集要領で確認してください。

アイフィルムの入札・プロポーザルへの関わり

アイフィルムは、新潟県内の自治体の映像制作・イベント・音響などの案件に、入札やプロポーザルで参加しています。発注担当者の方からの、学校や自治体の書式での見積書の作成や、入札・見積合わせが必要な案件のご相談にも対応しています。

市町村ごとにバラバラに公開されている入札情報をまとめて確認できる「新潟入札ウォッチャー」を開発・運営しています。映像制作・配信・音響の業務についてのご相談は、お問い合わせで受け付けています。

参考にした情報
  • 7年連続いといがわキャリアフェスティバルの音響・映像・会場設営
  • 国家資格二等無人航空機操縦士(夜間・目視外の限定解除)
  • 電気工事士イベントの仮設電源も自社で施工
  • 自治体の案件新潟県内の入札・プロポーザルに参加
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