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学校行事の撮影・配信を業者に頼む前に|卒業式・教育イベントの注意点

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卒業式や学習発表会、キャリア教育のイベントなど、学校の行事を「来られないご家族にも届けたい」「記録としてきちんと残したい」。そう考えたとき、一般のイベントと何が違うのでしょうか。

いちばん大きいのは、写っているのが児童生徒だということです。そのぶん、事前に決めておく配慮がいくつか増えます。学校・PTA・教育委員会のご担当者が業者に撮影や配信を頼む前に整理しておきたいことを、公的な指針も確認しながらまとめました。

配信と記録、どちらが合う?まず「誰に、いつまで」を決める

学校行事の映像には、大きく分けて次の届け方があります。どれを選ぶかで、必要な準備も、同意を取る範囲も変わります。

届け方向いている場面気をつけたいこと
保護者向けのライブ配信会場の人数に制限がある、遠方の家族にも見てほしい視聴できる人を限定する仕組み、回線の確保
期間を決めたオンデマンド配信当日見られない家庭にも届けたい視聴期間の設定と、期間後の削除
記録撮影(全編・編集版)学校の記録として保管する、卒業記念にする配布する場合の範囲と、音楽などの権利
短い報告用の映像・写真学校だより、翌年の案内、報告書顔がはっきり写る場面の扱い

おすすめは、「配信は当日と短い期間だけ」「記録は学校で保管」と役割を分けることです。配信の映像をいつまでも公開しておくより、見られる期間をはっきりさせたほうが、保護者にも説明しやすくなります。

児童生徒の個人情報・肖像と、音楽などの著作権

事前にお知らせし、承諾を得る

顔がわかる写真や映像は、それだけで個人を特定できる情報になります。文部科学省の「教育情報セキュリティポリシーに関するガイドライン」ハンドブックでは、学校行事などの児童生徒の写真や、学習活動の記録(動画・写真など)は、保護者の承諾がある場合に公開できる情報として整理されています。

文部科学省の「教育データの利活用に係る留意事項」のパンフレットでは、公立学校が個人情報を扱うときは利用目的を特定し、お便りや保護者会での説明などでわかりやすく示すことが求められています。公立学校と私立学校では、適用される個人情報保護法の規定が一部異なるため、学校の種類に合わせて確認してください。

実務では、次の内容を学校だよりや申込書で事前にお知らせし、承諾を得ておきます。

  • 撮影・配信する行事と、撮影する人(業者に委託する場合はその旨)
  • 映像の使い道(保護者向け配信、学校の記録、学校だよりなど)
  • 公開の方法と期間(限定配信で何日間、など)
  • 写ることを希望しない場合の連絡先と、その後の対応

写してよい範囲を、当日の前に決める

事情があって、顔を写さない配慮が必要な児童生徒がいることもあります。業者には、名前を伏せたうえで「この席の列は映さない」「全体の引きの映像だけにする」といった形で伝えていただければ、カメラの位置や画角で対応できます。名札やゼッケンの名前、客席の保護者の顔が大きく映らないようにすることも、事前に共有しておきます。

視聴のルールを、保護者と共有する

著作物の教育利用に関する関係者フォーラムがまとめた「改正著作権法第35条運用指針 特別活動追補版」では、保護者向けにオンデマンド配信をする場合、保護者に事前に十分説明し、次のようなことに同意してもらうよう示されています。

  • URLを他の人に広めない
  • 配信の映像を保存(ダウンロード)したり、転送したりしない
  • 画面キャプチャーをしない
  • SNSなどに転載しない

あわせて、視聴期間をあらかじめ決め、期間が終わったら映像を削除することも挙げられています。パスワードなどをかけずに、誰でも見られる学校のホームページやSNSに視聴用のIDやURLを載せると、誰でも視聴できる状態と解される、とも説明されています。

配信サービスの設定でも、見られる人を絞れます。YouTubeの「限定公開」は検索結果に表示されず、URLを知っている人だけが見られる設定ですが、受け取った人がさらに共有することもできます。Vimeoのように、パスワードをかけたり、視聴者のダウンロードを止めたりできる動画サービスもあります。どの方法でも、保護者との約束ごととあわせて使います。

会場の後方に設営したカメラと配信機材

行事で使う音楽や映像の著作権

卒業式の合唱や、発表会で流す音楽、上映する映像など、行事には著作物が多く含まれます。

上の運用指針の追補版では、入学式や運動会などの学校行事は、教育課程上の特別活動として著作権法上の「授業」に含まれると考えられる、と整理されています。一方で、授業参観の保護者は、一般的には著作権法第35条でいう「授業を受ける者」には当たらないとされています。

学校の個人情報保護などの取り決めに同意した保護者や協力者に限って配信する場合は、授業目的公衆送信補償金を支払うことで、権利者の許諾なしにライブ配信ができる、とされています。逆に、それ以外の人にも見られるように配信する場合や、必要と認められる期間を超えてオンデマンド配信する場合は、権利者の許諾が必要と考えられています。行事の映像をDVDなどにコピーして記念品として配る場合も、許諾が必要とされています。

学校のホームページで一般公開したい場合や、記念DVDを作りたい場合は、使う曲や映像を早めに確認しておきます。

体育館・ホールでの撮影と音声

声が響く会場では「音をどこから取るか」で聞こえ方が変わる

体育館は天井が高く壁が硬いため、声が反響しやすい会場です。カメラのマイクで会場の音を拾うと、校長先生の式辞や児童生徒の発表が聞き取りにくくなります。会場の音響ミキサーから音声を直接もらえば、配信でも記録でも、はっきりした声を残せます。

会場に十分な音響設備がない場合は、スピーカーやマイクを持ち込んで、会場に流す音と配信・記録の音を一緒に整えると効率的です。体育館での音響の準備は「イベント音響(PA)の料金はどう決まる?」や「イベントの音響トラブルを防ぐ事前確認事項」、式典でのマイクやスピーカーの置き方は「講演会・式典の音響セッティングの基本」も参考にしてください。

カメラの位置は、保護者席と通路を考えて

ステージ全体を撮るカメラは客席の後方、登壇者の表情を撮るカメラは横や斜め前に置くのが一般的です。ただし学校行事では、保護者が自分で撮影する場所や、入退場の通路と重ならないことが優先です。三脚の脚が通路にはみ出さない位置を、事前に学校と一緒に決めておきます。

校内のネット環境と、当日の動線・安全

校内のネットワークは、事前に許可を取る

配信には安定したインターネット回線が必要です。学校のネットワークを使えると便利ですが、文部科学省のハンドブックでは、私物の端末を許可なく学校のネットワークにつなぐことは、セキュリティを下げるおそれのある行為として「無許可でのネットワーク接続禁止」とされています。業者の配信機材をつなぐ場合も、教育委員会や学校の情報担当の方に、早めに相談しておいてください。

学校の回線が使えない場合は、モバイル回線などを持ち込む方法もあります。回線の考え方は「配信の回線が弱い会場でも大丈夫?」で詳しく紹介しています。

ケーブルと電源は、子どもの動きを前提に

体育館には、走ったり、床に座ったりする子どもたちがいます。カメラからの映像ケーブルやマイクのケーブルは、通路を避けて配線し、どうしても横切る場所は養生テープなどで固定します。避難経路や非常口の前には機材を置かないこと、電源をどこから取るかも、下見の段階で確認しておきます。

体育館の壁際に沿わせて敷設したケーブル

見積もり・発注の手続き

学校や教育委員会、PTAからのご依頼では、一般企業とは手続きが異なることがあります。次の点を最初に伝えていただけると、やり取りが早く進みます。

確認したいこと例
見積書・請求書の書式学校や自治体指定の書式、宛名(学校長名、PTA会長名など)
発注の方法見積合わせ、入札、随意契約など
予算の範囲と年度今年度の予算で執行するか、次年度の予算要求のための見積もりか
支払い方法請求書払い、支払いの時期
決裁に必要な資料仕様の説明、機材の一覧、当日のスケジュール

次年度の予算要求に使う参考見積もりが必要な場合は、その旨を伝えておくと、決裁や予算書に合わせた内訳で用意してもらいやすくなります。

よくある質問

Q. 保護者全員の同意が取れなかった場合は、どうすればよいですか?

写ることを希望しない児童生徒がいる場合は、その子が大きく映らない画角にする、該当する場面を配信や公開用の映像から外す、といった方法があります。どこまで対応するかを学校で決めたうえで、業者に伝えてください。

Q. 卒業式をライブ配信して、あとから記念DVDにもできますか?

撮影の計画を一緒に立てれば、配信と記録を同時に進められます。ただし、DVDとして配布する場合は、式で使う曲などの権利の確認が必要になることがあります。早めにご相談ください。

Q. 学校の書式で見積書を出してもらえますか?

アイフィルムでは、学校や自治体の書式での見積書の作成に対応しています。見積合わせや入札が必要な場合もご相談ください。

Q. 小さな学校の行事でも頼めますか?

はい。必要な機材と人数に絞った構成をご提案します。音響だけ、記録撮影だけといった頼み方もできます。

アイフィルムでの学校・教育イベントの対応

アイフィルムでは、地域の中学生向けキャリア教育イベントで、音響・映像・設営を毎年継続して担当しています。体育館を会場にしたこのイベントでは、会場レイアウトの設計、仮設分電盤を設けた電源工事、ヤマハ DXR15 mk3などの機材による音響、映像、記録撮影までを一つの窓口でお受けしています。オープニング映像の制作と上映や、当日の様子をその場で編集してイベントの最後に上映する「撮って出し」の映像にも対応できます(学校・教育イベントの事例)。

音響PAは当日基本料金6万円/日(機材+オペレーター1名・税別)から、ライブ配信はカメラ1〜2台・配信2時間までのライト配信で6.5万円(税別)からご用意しています。音響卓の音をそのまま記録や配信に使えるため、声のはっきりした映像を残せます。

体育館に設営した音響卓

参考にした情報
  • 7年連続いといがわキャリアフェスティバルの音響・映像・会場設営
  • 国家資格二等無人航空機操縦士(夜間・目視外の限定解除)
  • 電気工事士イベントの仮設電源も自社で施工
  • 自治体の案件新潟県内の入札・プロポーザルに参加
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