
合同会社アイフィルムの小池です。
商品紹介動画は、写真と文章だけでは伝わりにくい「動き」「大きさ」「手触り」「使い方」を見せられます。ただ、撮影が終わってから「サイズ感がわからない」「通販サイトに載せたら端が切れた」「パッケージが古いデザインだった」と気づくと、撮り直しになってしまいます。
そうならないために、発注する側で撮影の前に決めておけることがあります。使う場所(EC・Amazon・自社サイト・展示会・SNS広告)ごとの作り分け、使用シーン・サイズ感・質感・比較・手順という5つの見せ方、商品・パッケージ・小道具の準備と撮り方、尺とアスペクト比や各サービスの動画仕様、3DCGを使う選択肢をまとめました。先に、全体をチェックリストにしておきます。制作会社との打ち合わせの前に、一通り確認してみてください。
| 項目 | 確認すること | チェック |
|---|---|---|
| 目的 | 認知・購入のひと押し・使い方の説明など、目的を一つに絞ったか | □ |
| 使う場所 | 掲載先(EC・自社サイト・展示会・SNS広告)を決めたか | □ |
| 掲載先の仕様 | 長さ、縦横比、ファイル形式、容量を確認したか | □ |
| 見せ方 | 使用シーン・サイズ感・質感・比較・手順の優先順位を決めたか | □ |
| 比較の根拠 | 比較する内容を、数値や事実で説明できるか | □ |
| 商品の数 | 撮影用と予備、開封用の数をそろえたか | □ |
| 商品の状態 | ホコリ・指紋・傷・ラベル・保護フィルムを確認したか | □ |
| パッケージ | 最新のデザインか、付属品はそろっているか | □ |
| 小道具 | 使用シーンやサイズ比較に使う物を用意したか | □ |
| 情報 | 正式名称・型番・価格・特長の資料を制作会社に渡したか | □ |
| 版の作り分け | 横長・縦長、長さ違いの版が必要かを伝えたか | □ |
| 3DCG | 内部構造や実物がない部分をCGで見せるか検討したか | □ |
まず決める:目的と、動画を使う場所
商品紹介動画は、どこで見られるかによって見る人の状態が違い、最初に見せるべきものも変わります。撮影の前に「どこに載せるか」を決めておくと、尺や画面の縦横比、撮るべきカットが自然と決まります。
| 使う場所 | 見る人の状態 | 向いている内容 | 画面の形の目安 |
|---|---|---|---|
| ECサイトの商品ページ(Amazon・楽天など) | 買うかどうか迷っている | サイズ感、質感、使い方、付属品 | 各サイトの仕様を確認 |
| 自社サイトの商品ページ | 商品をじっくり調べている | 開発の背景やこだわり、詳しい使い方 | 横長(16:9) |
| 展示会のブース | 通路を歩きながら数秒だけ見る | 一目でわかる特長、動く仕組み | ブースのモニターに合わせる |
| SNS・Web広告 | 興味がないままスクロールしている | 冒頭の数秒で目を引く場面、使用シーン | 縦長(9:16)や正方形 |
目的も一つに絞っておきます。「認知を広げたい」のか、「購入の最後のひと押しをしたい」のか、「問い合わせや返品を減らしたい」のかで、構成は変わります。たとえば使い方の質問が多い商品なら、手順をていねいに見せる動画が、購入後のお客様の助けにもなります。
動画全体の構成の組み立て方は企業PR動画の構成テンプレート、展示会ブースで流す映像の作り方は展示会で流すループ動画の記事で紹介しています。
商品の見せ方は5つ:使用シーン・サイズ感・質感・比較・手順
商品紹介動画で伝えたいことは、多くの場合、次の5つに整理できます。全部を1本に詰め込む必要はありません。商品と目的に合わせて、優先順位をつけましょう。
| 見せ方 | 伝わること | 映像の例 |
|---|---|---|
| 使用シーン | 自分の生活や仕事でどう使えるか | 実際の部屋・現場で使っている場面 |
| サイズ感 | 大きさ、重さ、持ちやすさ | 手に持つ、身近な物と並べる、寸法のテロップ |
| 質感 | 素材、表面の仕上げ、細部のつくり | 寄りの映像(マクロ撮影)、光の当たり方の変化 |
| 比較 | 従来品や使う前との違い | 使う前と後、並べての実演 |
| 手順 | 開け方、組み立て方、使い方 | 手元のアップで一つずつ |
使用シーンとサイズ感
写真だけではわかりにくいのが「どんな場面で、どれくらいの大きさで使うのか」です。人が手に持つ、机やキッチンに置く、スマートフォンやペットボトルなど誰でも大きさを知っている物と並べると、サイズ感が一瞬で伝わります。寸法はテロップでも添えておきます。
質感
革や木、布、金属などの素材感は、ゆっくり動くカメラで寄って撮ると伝わります。光の当たる角度を少しずつ変えると、表面の凹凸やツヤが見えてきます。
比較
「使う前と後」「従来品との違い」は、説得力のある見せ方です。ただし、比較の内容は根拠を説明できるようにしておきましょう。消費者庁は、比較広告が不当表示とならないための要件として、主張する内容が客観的に実証されていること、実証された数値や事実を正確かつ適正に引用すること、比較の方法が公正であることの3つを挙げています。
手順
組み立てや操作の手順は、手元のアップで一つずつ見せ、テロップで「1. ふたを開ける」のように番号をつけると、音を出さずに見ている人にも伝わります。

撮影前の準備と、撮影の工夫
撮影日までの準備のうち、出演者や撮影場所、写り込みの確認など一般的な内容は動画撮影の準備の記事にまとめています。ここでは商品撮影ならではの準備と撮り方を紹介します。
商品は「撮影用」と「予備」を用意する
撮影では、商品を何度も持ったり開けたりします。指紋や小さな傷がつくこともあるため、撮影用に複数個を用意しておきます。開封の様子や組み立てを撮る場合は、未開封の商品を撮る回数分そろえておきます。色違いやサイズ違いがある場合は、どれを主役にするかも決めておきましょう。
商品の状態とパッケージを確認する
映像では、ホコリ、指紋、ラベルの傾き、保護フィルムの残りが思った以上に目立ちます。手袋や柔らかい布、ブロワー(空気でホコリを飛ばす道具)があると、撮影の合間に手入れができます。パッケージは最新のデザインか、説明書や付属品はそろっているかも確認します。試作品を撮る場合は、発売時と仕様が変わる部分がないかも見ておきましょう。
小道具と情報をそろえる
使用シーンを撮るための小道具(食器、観葉植物、作業着など)は、商品の世界観に合わせて選びます。あわせて、商品の正式名称、型番、価格、伝えたい特長の優先順位をまとめた資料を制作会社に渡しておくと、テロップやナレーションの間違いを防げます。
撮影の工夫:光・背景・マクロ・回転・手元
| 工夫 | 撮り方 |
|---|---|
| 光 | やわらかい光で影を出しすぎないのが基本。ガラスや金属、光沢のあるパッケージは照明や周りの物が映り込みやすいため、照明の位置や角度を調整する |
| 背景 | 白い背景は形や色がはっきり見え、通販サイトの写真とも並べやすい。生活感のある背景は使用シーンが伝わる。商品ページ用は白背景、SNS用は使用シーン、と撮り分けると使い道が広がる |
| マクロ | 縫い目や刻印、細かな部品は、被写体に大きく寄れるマクロ撮影で見せると、つくりのよさが伝わる |
| 回転 | 商品をゆっくり回すと、形や裏側を一度に見せられる。同じ速さ、同じ明るさのまま一周させると見やすい |
| 手元 | 操作する手と商品が画面の中心にくるように撮る。動きはふだんよりゆっくりにすると、見ている人がついていける |

尺とアスペクト比、ECサイト・広告の動画仕様
尺の目安
商品紹介動画の長さは、使う場所で決めると迷いません。SNSや広告なら15〜30秒ほど、商品ページで特長と使い方を見せるなら1分前後、詳しい使い方や組み立ての説明なら数分、というように、目的ごとに分けると扱いやすくなります。一度の撮影で素材を多めに撮っておけば、長さや画面の形を変えて複数の版に編集できます。
アスペクト比(画面の縦横比)
横長(16:9)は自社サイトやYouTube、縦長(9:16)はスマートフォンで見るSNS向け、と考えると整理しやすくなります。縦横どちらの版も作る予定がある場合は、撮影の段階で伝えておくと、縦に切り出しても商品が欠けない構図で撮影できます。
主な動画仕様(2026年10月時点で公式情報を確認)
動画を載せる場所には、それぞれ長さや形式の決まりがあります。確認できた公式情報の一例です。
| 掲載先 | 長さ | 画面の形・解像度 | その他 |
|---|---|---|---|
| Amazon スポンサーブランド動画広告 | 6〜45秒(20秒以下を強く推奨) | 16:9のみ。1280×720、1920×1080、3840×2160 | MP4またはMOV、500MB以下 |
| YouTubeショート | 最長3分 | 正方形または縦長 | ショートにしない動画は16:9などの横長にする |
| YouTubeショート広告(Google広告) | 最長3分。60秒未満を推奨 | 縦長(9:16)を推奨 | 行動を促す広告は10〜30秒の縦型動画を提案 |
Amazonのスポンサーブランド動画広告の仕様では、動画は初期設定で音声なしで再生されること、上下や左右に黒や色の帯(余白)が入った動画は使えないことも案内されています。クリエイティブのガイドラインでは、最初の数秒以内に商品や興味深いものを見せて注目を集めることが勧められています。音がなくても伝わるテロップと、冒頭から商品が映る構成にしておくと、広告以外の場所でも使いやすくなります。
なお、Amazonの商品詳細ページや楽天市場・Yahoo!ショッピングなどの商品ページに載せる動画の条件は、各サイトの出店者・出品者向けの案内で確認できます。仕様は変わることがあるため、制作を始める前に最新の条件を確認し、制作会社に共有しておきましょう。
実写で撮りにくいときは3DCGという選択肢
商品によっては、実写よりも3DCG(コンピューターで立体的に作る映像)のほうが伝わる場合があります。
- 内部の構造や、動く仕組みを見せたい(透明にした外装の中で部品が動く、分解図で部品の構成を示す)
- 発売前で実物がまだない、または試作品しかない
- 大型の機械など、撮影場所への持ち込みや撮影自体が難しい
- 色違いやバリエーションを、同じ条件でそろえて見せたい
CADの図面や写真から立体のモデルを作れば、実物がない段階でも映像を作れます。実写で使用シーンを撮り、仕組みの部分だけを3DCGで見せるといった組み合わせもできます。
| 方法 | 向いていること | 準備するもの |
|---|---|---|
| 実写 | 使用シーン、質感、人が使う様子 | 商品の実物、撮影場所、小道具 |
| 3DCG | 内部構造、仕組み、実物がない段階の紹介 | CAD図面や写真、仕様の資料 |
| 実写+3DCG | 使用シーンと仕組みの両方を見せる | 両方の素材 |

よくある質問
Q. 1回の撮影で、ECサイト用とSNS用の両方を作れますか?
作れます。撮影の前に「横長と縦長の両方を使う」と伝えておけば、どちらの形に切り出しても商品が収まる構図で撮影し、編集で複数の版に仕上げられます。
Q. 商品は何個くらい用意すればよいですか?
撮影用に複数個ご用意ください。開封や組み立ての場面を撮る場合は、未開封の商品を撮る回数分用意しておくと、撮り直しになったときも対応できます。
Q. 発売前で、まだ実物がありません。
CAD図面や写真をもとに、3DCGで商品を再現する方法があります。発売後に実写の使用シーンを追加して、映像を育てていくこともできます。
アイフィルムでの商品紹介動画制作
アイフィルムでは、企画・シナリオづくりから撮影、編集まで通して制作しています。製品の細部を見せるマクロ撮影やモデルの起用にも対応し、テロップで商品説明を正確に伝える編集に仕上げます。仕組みやデータの説明には、インフォグラフィックやCGアニメーションも使えます。
3DCGでは、商品の写真やCAD図面から3Dモデルを作成し、透明なCGモデルで内部を見せたり、分解図で部品の構成を示したりする映像を制作しています。実写の映像とCGの合成にも対応します。
これまでに、GUMAFINDER 様「医療機器紹介動画」、REAQUA 様「クリーニングサービス紹介動画」、EnonoGOLF 様「ゴルフ場サービス紹介動画」、サプラサプラ 様「サービス紹介動画」などを制作しています。
撮影した素材からは、横長の版に加えて、YouTubeショートやTikTok向けの縦型、Instagram向けの正方形など、掲載先に合わせた版も制作できます(SNS動画)。
費用は動画の長さや撮影の規模によって変わり、商品・サービス紹介動画はおおよそ数十万円程度から、簡易なものであれば10万円台から企画・撮影・編集を含めて制作できます。静止した製品の3Dモデルを1つ作り、軽く動かす程度であれば30万〜50万円程度で収まるケースもあります。
サービスの詳細は商品・サービス紹介動画と3DCG/アニメーション、動画は制作実績でご覧いただけます。打ち合わせの前に冒頭のチェックリストを一通り埋めてからお問い合わせいただくと、話が早く進みます。埋まらない項目があっても、そこから一緒に決めていけます。


