
合同会社アイフィルムの小池です。
映像制作の発注先を探すとき、まず名前の知られた大きな会社や、東京の制作会社を思い浮かべる方もいらっしゃると思います。もちろん、規模の大きな案件や全国規模のキャンペーンでは、人員や専門の部署がそろった会社が力を発揮する場面があります。
ただ、撮影の現場が地方にある場合や、同じ地域で毎年続くイベントの場合には、現場の近くに拠点を置く制作会社が向いていることもあります。発注先選びの視点のひとつとして、「地方の制作会社という選択肢」をまとめました。
発注先は「所在地」より「現場との相性」で考える
制作会社選びでは、実績や費用、担当者との相性などいくつもの基準があります(一般的な選び方は動画制作会社の選び方で紹介しています)。そこにもうひとつ加えたいのが、「撮影や本番の現場がどこにあるか」という視点です。
映像制作は、企画や編集のように場所を選ばない作業と、撮影や会場の設営のように現場へ行く必要がある作業に分かれます。打ち合わせや確認はオンラインでもできるようになりましたが、撮影の日には機材とスタッフが現地へ移動しなければなりません。現場が地方にあるなら、その近くに拠点を持つ会社も比べる候補に入れておくと、選択肢が広がります。
| 比べる視点 | 考えておきたいこと |
|---|---|
| 現場の場所 | 撮影や本番の会場はどこか。何回足を運ぶ必要があるか |
| 案件の続き方 | 1回きりか、毎年・毎月続くか |
| 必要な体制 | 当日のスタッフや機材の量、専門分野の広さ |
| 公開先・用途 | 地域向けか、全国向けか。どんな媒体で使うか |
地方に拠点を置く制作会社の強み
移動費・宿泊費を抑えやすい
撮影のたびに遠方からスタッフが移動すると、交通費や宿泊費、移動にかかる時間の分が費用に加わります。朝早い撮影や、前日に準備が必要な現場では、前泊が必要になることもあります。現場の近くに拠点がある会社なら、こうした移動の負担を小さくできる分、限られた予算を撮影や編集そのものに回しやすくなります。
天候に左右される屋外の撮影では、予備日を設けることがあります。近くの会社なら日程を組み直すときの移動の負担も少なく、調整がしやすい点もメリットです。
地域の事情を知っている
地元の会場の広さや設備、地名や施設の正しい呼び方、季節ごとの行事や天候の傾向など、地域で仕事を重ねてきた会社には現場の知識がたまっています。たとえば雪の多い地域の冬の撮影では、移動時間や機材の扱いに余裕を持たせる、といった段取りも、経験があると判断が早くなります。
地域の人に向けた動画では、「その土地らしさ」をどう映すかが仕上がりを左右します。普段からその地域を知っている制作会社は、撮る場所や見せ方の候補を出しやすいはずです。
下見や打ち合わせに足を運びやすい
ロケハン(撮影場所の下見)や会場の下見は、仕上がりと当日の安全を左右する工程です。ライブ配信や音響が入るイベントでは、事前に電源やネット回線、会場の設備を確かめておく必要があります。現場の近くに拠点がある会社なら、こうした下見や対面での打ち合わせに、必要なときに足を運びやすくなります。
毎年続く案件で関係を育てやすい
式典や地域のイベント、学校行事のように、毎年同じ時期に行われる案件では、前年の流れや反省点を知っている会社に続けて頼むメリットがあります。会場や運営の流れを把握したうえで、少しずつ改善しながら担当してもらえるからです。近くの会社なら、本番以外の打ち合わせや、ちょっとした相談もしやすくなります。
公共の発注でも「地域への精通度」が考慮されることがある
国の機関の発注では、地域の事情に詳しいことが考慮される場合があります。総務省の「令和8年度における総務省の中小企業者に関する契約の方針」では、地域への精通度等が契約の円滑かつ効率的な実施の重要な要素となる場合には、これを十分考慮するとされています。経済産業省の発表(2026年4月21日)では、地方公共団体は「令和8年度中小企業者に関する国等の契約の基本方針」に基づく国の施策に準じて、必要な施策を講ずるよう努めるとされています。
地域の制作会社を候補に入れることは、こうした考え方とも合っています。入札や見積合わせの進め方は自治体ごとに異なるため、各自治体の要綱や仕様書を確認したうえで検討してください。
依頼する前に確認しておきたい「体制と対応範囲」
地方の制作会社には、少人数で撮影から音響、配信まで幅広い仕事を担っている会社もあります。頼める範囲が広い分、依頼の前に体制と対応範囲を確認しておきましょう。
| 確認すること | 質問の例 |
|---|---|
| 対応範囲 | 撮影・編集だけか。ライブ配信、音響、ナレーション、ドローン空撮なども頼めるか |
| 当日の体制 | 撮影当日は何人で来るか。カメラは何台か。外部のパートナーと組むか |
| 機材 | 必要な機材を自社で持っているか。予備の機材はあるか |
| 対応エリア | 県外や都市部での撮影・設営にも対応できるか。出張費はどう決まるか |
| 実績 | 同じような規模・内容の案件の経験があるか |
| 進め方 | 打ち合わせは対面とオンラインのどちらでできるか。確認や修正はどう進めるか |
少人数の会社でも、パートナー企業や業務委託の専門家とチームを組み、案件の規模に合わせて体制をつくっている場合があります。「何人の会社か」だけで判断せず、「この案件をどの体制で担当してもらえるか」を具体的に聞いてみてください。
都心の会社と組み合わせるという選択肢
発注先は、どちらか1社に決めなければならないわけではありません。案件の内容によっては、都心の会社と地方の会社がそれぞれの得意分野を受け持つ形も考えられます。
| 組み合わせの例 | 進め方のイメージ |
|---|---|
| 企画は都心の会社、地方での撮影は地元の会社 | 広告全体の企画や制作進行を都心の会社が担い、地方ロケの撮影や現地の手配を地元の会社が担当する |
| 代理店や元請けを通して地元の会社に依頼 | 発注の窓口は代理店や元請け会社、現場の撮影や施工は地元の会社が受け持つ |
| 地方の会社が都市部に出張 | 地元で打ち合わせを重ね、東京などの会場での撮影や設営に地元の会社が出向く |
組み合わせる場合は、役割分担と窓口をはっきりさせます。誰が全体の責任を持つのか、撮影した素材を誰がどの形式で受け渡すのか、著作権や利用範囲の取り決めを誰と結ぶのかを、最初に決めておきましょう。素材の受け渡しについては撮影後の素材の納品・保管ルールで詳しく紹介しています。
地方の制作会社を探すときの進め方
- 現場の地域名とサービス名で探す:「新潟 ライブ配信」「上越 映像制作」のように、地域名と頼みたい内容を組み合わせて探します。
- 実績の「場所」と「内容」を見る:その地域での実績や、似た規模の案件の経験があるかを確認します。
- 体制と対応範囲を質問する:上の表を参考に、当日の体制や機材、出張の条件を聞きます。
- 見積もりの内訳を比べる:移動費や宿泊費がどこに含まれているかも含めて、内訳で比べます。
アイフィルムの拠点と対応エリア
アイフィルムは、新潟県糸魚川市大字能生の糸魚川本社と、新潟市中央区女池の新潟支社を拠点にしています。収録には、東京都新宿区高田馬場にある共同運用スタジオを使っています。体制は社員5名と業務委託30名以上で、関東・中部を中心に全国のご依頼に対応しています。
上越市は糸魚川本社から車ですぐの場所にあり、糸魚川市内の撮影は移動の負担が少ない分、費用を抑えてご提案できます。料金表を公開している音響PAでは、出張費をエリア別に決めています(税別)。
| エリア | 音響PAの出張費(税別) |
|---|---|
| 糸魚川市内 | 無料 |
| 上越エリア(柏崎まで) | 5,000円/日 |
| 中越エリア | 10,000円/日 |
| 下越エリア(新潟市を含む) | 15,000円/日 |
地域の中学生向けキャリア教育イベントでは、音響・映像・設営を毎年継続して担当しています。東京都内でも、商業施設での台湾のブランドを紹介する約3週間のポップアップ展示で出力物・什器・設営を一式で担当したほか、展示会場での食品関連の商談会で海外パビリオン(4ブース)の装飾と出力物を担当しました。代理店や元請け会社を通したご依頼にも対応しています。
会社の概要は会社概要、アイフィルムの特徴はアイフィルムが選ばれる理由にまとめています。
現場の場所と日程がわかれば、移動にかかる費用も含めてお見積りします。お問い合わせからどうぞ。
よくある質問
Q. 地方の制作会社に、東京での撮影や設営を頼めますか?
対応しているかどうかは会社によって異なるため、対応エリアと出張費の考え方を確かめてください。アイフィルムでは、東京都内の展示会場や商業施設での設営・撤去にも伺っています。
Q. 打ち合わせのたびに来てもらう必要はありますか?
内容の確認や修正のやり取りは、オンラインでも進められます。会場の下見や撮影の立ち会いなど、現地で確かめたほうがよい場面だけ対面にする進め方もあります。アイフィルムでは、新潟支社やご指定の場所での打ち合わせのほか、オンラインでのお打ち合わせにも対応しています。
Q. 地元の会社に頼むと費用は安くなりますか?
移動費や宿泊費は抑えやすくなりますが、制作費は動画の内容や撮影の規模によって決まります。複数の会社で見積もりを取る場合は、移動にかかる費用がどこに含まれているかも含めて、内訳で比べると違いがわかります。
Q. 少人数の会社に、規模の大きなイベントを任せても大丈夫ですか?
見るべきは会社の人数より、その案件をどの体制で担当するかです。当日のスタッフの人数と役割、機材の台数と予備、外部パートナーとの連携を具体的に確認してください。アイフィルムでは、社員5名に業務委託30名以上を加え、案件の内容に合わせてチームを組んでいます。


