
「創業記念に社歌を作りたいけれど、何から決めればいいのか」。歌づくりを初めて依頼する方が、最初につまずきやすいところです。
学校の記念行事でみんなで歌える歌がほしい、地域のイベントにテーマソングがあれば盛り上がる。オリジナルソングは、こうした「自分たちだけの歌」を一から作るものです。歌詞は自分たちで書くのか、できた歌は自由に使えるのかなど、わからないことも次々に出てきます。依頼してから完成するまでの流れと、つまずきやすいところをまとめました。
オリジナルソングが使われる場面
オリジナルソングは、使う場面によって求められるものが変わります。最初に「誰が、どこで、どんなふうに聴くか(歌うか)」を考えておくと、その後の話が早く進みます。
| 種類 | 主な使い方 | 作るときに意識すること |
|---|---|---|
| 社歌・企業ソング | 入社式や社内イベント、会社紹介の動画、Webサイト | 会社の考え方や雰囲気が伝わる言葉と曲調 |
| 周年記念ソング | 記念式典、記念映像、社内外へのメッセージ | その節目ならではの思いと、長く使える内容の両立 |
| 学校・記念行事の歌 | 記念式典、卒業や周年の行事 | 児童・生徒が歌いやすい音の高さと言葉 |
| 地域・イベントのテーマソング | イベント会場、PR動画、SNS | 一度聴いて覚えやすいフレーズ |
| CM・プロモーション | テレビ・Web CM、商品紹介動画 | 短い時間で印象に残ること |
アイフィルムのオリジナルソングのページでも、企業CMやプロモーション動画、店舗やイベント会場のBGM、社歌・周年記念ソング、YouTubeやSNSのコンテンツといった使い道を紹介しています。社歌や周年記念ソングは、社員の一体感を高めたり、企業の姿勢を音楽で伝えたりする使い方ができます。
短いメロディーで社名を覚えてもらう「サウンドロゴ」や、CM用に作る「CMソング」との違いは、サウンドロゴ・CMソング制作の記事で紹介しています。

ヒアリングから納品までの6工程
オリジナルソングは、おおむね次のような順番で作っていきます。
| 工程 | 内容 | お客様にお願いしたいこと |
|---|---|---|
| 1. ヒアリング | 目的、使う場面、イメージ、納期をお聞きする | 伝えたいこと、好きな曲の例、使う予定の場面 |
| 2. 歌詞づくり | 言葉を集め、歌詞の形にまとめる | 入れたい言葉やエピソードの提供、内容の確認 |
| 3. デモ | 仮の歌や伴奏で、曲の雰囲気を確かめる | 曲調・テンポ・音の高さの確認 |
| 4. 歌唱・録音 | 歌い手が歌い、録音する | 歌い手の選定、必要に応じて立ち会い |
| 5. ミックス・マスタリング | 歌と楽器の音量や音質を整えて仕上げる | 最終の音源の確認 |
| 6. 納品 | 用途に合わせた形で音源をお渡しする | 必要な音源の種類(カラオケ版など)の相談 |
ヒアリングでは「好きな曲」と「使う場面」を
曲のイメージを言葉で伝えるのは難しいものです。「こんな雰囲気が好き」という既存の曲を何曲か挙げていただくと、テンポや楽器の使い方のイメージを共有しやすくなります。あわせて、式典で流すのか、全員で歌うのか、動画のBGMにするのかといった使う場面も教えてください。曲の長さや歌いやすさの考え方が変わります。
アイフィルムでは、所属クリエイターがヒアリングから対応します。バンドサウンド、エレクトロミュージック、弾き語りソングなど、さまざまなジャンルで制作できます。
デモで方向性を確かめる
いきなり完成品を作るのではなく、仮の歌や伴奏で雰囲気を確かめる段階をはさむと、「思っていたのと違う」を防げます。デモを聴くときは、細かい音色よりも「テンポは合っているか」「歌の高さは歌う人に合っているか」「サビは覚えやすいか」といった大きな方向性を確認します。
歌い手の選び方
誰が歌うかで、歌の印象は大きく変わります。使う場面に合わせて選びます。
| 歌い手 | 向いている場面 | 考えておくこと |
|---|---|---|
| プロのシンガー | CM、PR動画、イベント会場で流す音源 | 声のイメージをサンプルで確認する |
| 社員・生徒・地域の方 | 社内イベント、記念行事、参加型の企画 | 歌いやすい音の高さ、録音の日程と場所 |
| 合唱 | 学校の式典、記念行事 | 合唱向けの編曲(パート分け)が必要になる |
プロのシンガーが歌う完成音源と、みんなで歌うための音源を両方用意する方法もあります。アイフィルムでは、シンガーを弊社でピックアップすることもできます。合唱向けの編曲など、使い方に合わせた形はご相談ください。
録音から仕上げまで
近年は打ち込み音源(パソコンで鳴らす楽器の音)の質が高くなっているため、多くの楽器を質感高く作り込めます。アイフィルムでは、基本的にどのジャンルでも基本の制作費用の中で対応しています。生楽器での収録をご希望の場合は、別途ご相談となります。
録音した歌と楽器は、最後にミックス(音量や音質のバランス調整)とマスタリング(全体の仕上げ)を行います。工程の中身はミックス・マスタリングの記事で詳しく紹介しています。
歌詞を一緒に作るときのコツ
社歌や学校の歌では、歌詞に自分たちの言葉を入れたいと考える方もいるでしょう。プロに任せきりにするのでも、すべて自分たちで書くのでもなく、「言葉を出すのはお客様、歌の形に整えるのはクリエイター」という分担が進めやすい方法です。
言葉を集める
まずは、歌に入れたい言葉の材料を集めます。
- 会社や学校が大切にしている考え方、合言葉
- 地域の風景、名所、季節の行事
- 社員や生徒、地域の人へのアンケートで出てきた言葉
- 歴史や、節目にまつわるエピソード
アンケートで言葉を募ると、できあがった歌に「自分たちの歌」という愛着が生まれやすくなります。
歌いやすさを優先する
文章として良い言葉でも、メロディーに乗せると歌いにくいことがあります。歌詞は、音の数に合わせて言葉を選び直す作業でもあります。
| 気をつけたいこと | 理由 |
|---|---|
| 言葉を詰め込みすぎない | 早口になり、聴く人にも歌う人にも伝わりにくい |
| 固有名詞は絞る | 地名や商品名を入れすぎると、歌が説明文のようになる |
| 長く使える言葉を選ぶ | 年号や現在の数字を入れると、数年後に古く感じることがある |
| サビに一番伝えたい言葉を | 繰り返し歌われる部分が、一番記憶に残る |
決める人と進め方を最初に決めておく
社歌や学校の歌は、関係する人が多くなりがちです。意見を集める期間と、最終的に決める人(または委員会)を最初に決めておくと、歌詞の修正が何度も続くことを防げます。
作った歌は誰のもの?著作権と権利の扱い
オリジナルソングで、あとから困りやすいのが権利の扱いです。依頼する前に、基本的な考え方を見ておきます。
依頼した側に著作権が移るのは「契約で決めたとき」
文化庁の「誰でもできる著作権契約マニュアル」では、著作物を作った人が著作者であり、謝金や制作費を支払っても、依頼者は著作者にならないと説明しています。報酬を支払って創作を依頼しても原則として著作権は譲渡されず、譲渡を希望するときは契約書に明記する必要があるとしています。
編曲などで新しい作品(二次的著作物)を作る権利と、それを利用する権利(著作権法第27条・第28条の権利)は、契約書で特に明記していなければ譲渡の対象に含まれないと推定されます。譲渡の対象に含めるときは、「著作権法第27条及び第28条に規定する権利を含む」のように書く必要があるとされています。
著作者人格権は作った人に残る
著作者には、まだ公表していない作品を公表するかどうかを決める「公表権」、名前を表示するかを決める「氏名表示権」、作品の内容や題名を勝手に変えられない「同一性保持権」があります。これらをまとめて著作者人格権といいます。マニュアルでは「著作権は譲渡できますが、著作者人格権は譲渡できません」と説明されており、著作権を譲り受けても、著作者人格権は作った人のもとに残ります。
同じマニュアルでは、内容や題名を変更する場合には著作者の了解が必要になることや、利用者に自由に使わせる必要がある場合などには著作者人格権を行使しない旨を規定する例もあることが紹介されています。歌詞の一部を変えたい、替え歌を作りたいといった可能性があるなら、契約の段階で相談しておきます。
歌い手と録音にも権利がある
マニュアルでは、音楽CDには作詞家・作曲家の権利(著作物)、歌手・演奏家の権利(実演)、レコード製作者の権利(レコード)の3種類が重なっていると説明しています。実演家には著作隣接権と、氏名表示権・同一性保持権があります。プロのシンガーに歌ってもらう場合は、歌声の使い方についても確認が必要です。
JASRACに預けるかどうか
作詞者・作曲者は、JASRAC(日本音楽著作権協会)のような団体に著作権の管理を任せることができます。JASRACの説明では、信託契約を結ぶと著作権はJASRACに移り、作家は分配される使用料を受け取る形になります。著作権がJASRACに移っても、一定範囲の自己利用については使用料を支払わなくてよい取り扱いが定められています。
依頼する側として知っておきたいのは、次の点です。
- JASRACと契約している作家の場合、著作権を譲渡できる相手はJASRACと契約のある音楽出版社に限られる
- 広告主などからの依頼で作られた楽曲は、依頼者が自由に使えるよう、JASRACによる管理を制限できる
- JASRACは編曲権と同一性保持権を預かっていないため、編曲や替え歌の許諾は、JASRACではなく著作者や音楽出版社などの権利者に求める
管理団体に預けると、ほかの人に広く使われたときに使用料が分配される仕組みに乗せられます。一方で、社内や地域の中で自由に使うことが目的なら、管理の範囲をどうするかを最初に確認しておく必要があります。使い方に合わせて、制作会社と相談して決めてください。
アイフィルムでの権利の扱い
アイフィルムで制作したオリジナルソングは、基本的に著作権を譲渡しなくても自由にお使いいただけます。ただし、権利は弊社が持つことになるため、他での販売はご遠慮いただいています。事例として掲載させていただくこともあります。著作権の譲渡も、別途お見積りで対応できます。
使い道を広げる(カラオケ版・ショート版・MV)
一つの歌から、使い道に合わせた音源や映像を作っておくと、活躍の場が広がります。
| 作るもの | 使い道 |
|---|---|
| カラオケ版(歌なしの伴奏) | みんなで歌う式典や行事、練習用、動画のBGM |
| ショート版 | CM、SNS動画、イベントのオープニング |
| ミュージックビデオ(MV) | Webサイト、YouTube、会場での上映 |
| 縦型のショート動画 | TikTok・Instagram・YouTube Shorts |
カラオケ版やショート版は、あとから作るより、制作の最初に「こういう使い方もしたい」と伝えておくほうが無駄がありません。必要な音源の種類はご相談ください。
アイフィルムは映像制作会社なので、できあがった歌のMVも、企画から撮影・編集まで一緒に制作できます。歌詞テロップを入れた映像や、本編から切り出した縦型ショート動画の制作にも対応しています。MVの進め方はMV制作の費用と流れで紹介しています。歌詞のない曲を動画のBGMとして作る場合は、オリジナルBGMとフリー音源の比較もあわせてご覧ください。
よくある質問
Q. 歌詞やメロディーのイメージが固まっていなくても依頼できますか?
はい。所属クリエイターがヒアリングから対応し、伝えたいことや使う場面、好きな曲の雰囲気をお聞きしながら形にしていきます。歌詞の材料になる言葉が集まっていない段階でも、ご相談ください。
Q. 生のバンドやオーケストラの音で作れますか?
生楽器での収録をご希望の場合は、別途費用のご相談となります。打ち込み音源でも多くの楽器を質感高く作れるため、ご予算に合わせて組み合わせを考えます。
Q. 歌ってくれる人を探してもらえますか?
はい。シンガーを弊社でピックアップすることもできます。社員の方や生徒さんが歌う形をご希望の場合も、ご相談ください。
Q. 仕上げ作業に立ち会うことはできますか?
ミックス・マスタリングは、弊社の音楽スタジオのほか、Zoomなどを使ったリモートでもお立ち会いいただけます。リモートの場合は、音声転送専門ソフト「ListenTo」を使って高音質で聴いていただけます。
アイフィルムのオリジナルソング制作
アイフィルムでは、所属クリエイターがヒアリングから担当し、企業のテーマソングや社歌・周年記念ソング、アーティスト・主題歌向けの楽曲などを一から制作しています。ミックス・マスタリングは、多数のメジャー作品を担当している弊社専属エンジニアが行います。歌ができたあとのMVや動画づくりまで、まとめてご相談いただけます。
詳しくはオリジナルソング制作、MIX・マスタリング作業、ミュージックビデオ制作のページをご覧ください。動画に入れるナレーションの原稿づくりはナレーション原稿の書き方で紹介しています。歌詞の材料がまだない段階なら、まずはお問い合わせで歌を使う場面だけ教えてください。


