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自治体の動画の外部委託で委託先に求められること|担当者目線の選び方8項目

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自治体の動画制作では、委託先が「安心して任せられるか」が、映像の出来栄えと同じくらい問われます。担当者の方は、税金を使う事業として、上司や議会、住民の方に説明できる形で仕事を進める必要があるからです。

担当者の立場から見た委託先への期待を8つに分け、総務省の資料や公開されている仕様書を手がかりにまとめました。委託先選びの確認表にも使えます。契約・検査・支払いなど進め方の違いは「官公庁・自治体案件と民間案件の進め方の違い」、仕様書と予算の考え方は「動画制作の仕様書の書き方と予算の考え方」で解説しています。

担当者が委託先に求める8つのこと

右の列は、委託先を選ぶときや最初の打ち合わせで確かめておきたいことです。

求められること具体的には選ぶときに確かめること
仕様の理解仕様書の目的と条件を読み込み、疑問を早めに質問する提案や見積もりが仕様書の項目と対応しているか
報告・連絡進み具合を聞かれる前に伝える窓口と連絡方法がはっきりしているか
スケジュール管理庁内の確認期間を含めた工程を組む工程表に確認の回数と日数が入っているか
書類の正確さ見積書・報告書・請求書を指定どおりに作る指定の書式に対応できるか
個人情報・情報セキュリティ預かった情報や撮影データをルールどおりに扱う保管方法、再委託の範囲、事故時の連絡体制
著作権・肖像権の処理出演者・音楽・素材の権利を処理する権利処理の範囲の説明があるか
説明に使える資料企画の意図や成果を共有しやすい形にまとめる企画書や報告書の見本があるか
公平・中立な表現特定の立場や性別に偏らない表現にする表現の確認の進め方を説明できるか

仕様書・連絡・工程・書類で担当者の手間を減らす

仕様書を読み込み、疑問は早めに確かめる

自治体の仕事では、仕様書が業務の基準になります。新潟市が公開している「動画を活用した新潟市ラーメンプロモーション業務委託」の仕様書にも、「本仕様書に定めのない事項及び本仕様書の記載内容に疑義が生じた場合は、委託者と協議のうえ決定する」と書かれていました。

頼りになるのは、仕様書の文面だけでなく「何のための事業か」まで理解したうえで、あいまいな点を早めに質問する委託先です。「SNS用の短い版は縦型も必要ですか」「字幕付き版は全編分ですか」といった確認を最初にしておくと、後からの手戻りを防げます。

報告・連絡は「聞かれる前に」

同じ仕様書では、受託者は「各作業の進捗状況の把握、委託者への状況報告等」を含む運営管理を徹底し、委託者の求めに応じて随時、工程管理の進捗確認を行うこととされています。

「撮影の日程が決まりました」「天候で一部を予備日に回します」といった連絡が委託先から先に届くと、担当者の方は上司への報告や関係者との調整を進めやすくなります。連絡の窓口を一本にしておくことも、行き違いを減らすコツです。

庁内の確認期間まで含めて工程を組む

新潟市の仕様書では、受託者に「制作スケジュールを提案すること」を求め、完成前に委託者と内容確認を2回以上行うこととしていました。自治体の動画は関係部署や上司の確認を経て公開されることもあるため、確認にかかる日数は、最初から工程に組み込んでおきます。

書類は「指定どおり」を一覧で確かめる

見積書から報告書、請求書までの書類は、会計や検査の手続きにそのままつながります。

書類確認しておきたいこと
見積書宛名・件名・日付、税込か税別か、内訳が仕様書と対応しているか、指定の書式か
報告書仕様書で指定された内容・部数・ファイル形式か
納品データ本編・短尺版・字幕付き版など、成果品の数がそろっているか
請求書契約書と金額・件名が一致しているか、インボイスの登録番号があるか

新潟市の仕様書では、効果測定や動画の再生回数・分析結果などをまとめた報告書を、紙媒体4部と電子媒体(Microsoft Word、Excel、またはPowerPoint)一式で提出することとされていました。こうした指定を最初に一覧にしておき、納品前にもう一度照らし合わせると漏れを防げます。

預かった情報と撮影データの扱い

総務省のガイドラインが示す考え方

総務省の「地方公共団体における情報セキュリティポリシーに関するガイドライン」(令和8年3月27日改定)の概要資料では、外部の事業者に業務を委託する場合、委託先の対策は自治体が直接管理できないため、要求事項を調達仕様書等に明記し、契約条件とする必要があるとしています。あわせて、委託する業務の範囲や委託先の責任範囲を明確にして契約を結び、「外部委託先に関するセキュリティ要件のチェックシート」にもとづいて遵守状況を確認するとしています。

主に情報システムの開発・運用などの委託を想定した内容ですが、動画制作でも、出演者の名簿や連絡先、参加者が映った映像、公開前の資料などを預かることがあります。どの情報をどう扱うかを契約の段階で取り決めておくと、後から扱いに迷わずに済みます。

委託先に求められる主な項目

ガイドライン改定の検討会(2023年)で示されたチェックシートのサンプルには、委託先に求める項目が具体的に並んでいます。動画制作に関係の深いものを整理すると、次のとおりです。

項目内容の例
守秘義務業務で知り得た秘密を漏らさない。契約終了後や退職後も同様
目的外利用の禁止指示された目的以外に使わず、第三者に提供しない
複写の管理委託者の承認なく複写・複製しない
再委託の承諾承諾を得てから再委託し、再委託先にも同じルールを守らせる
従業者への教育データの保護や秘密保持の教育を行い、記録する
事故時の報告情報漏えいなどが起きたら、直ちに委託者へ報告できる体制を整える
返却・消去借りたデータは返却し、複製したものは消去して証明する書類を出す

島根県の「個人情報を取り扱う事務の委託基準」では、委託先に渡す個人情報を目的の範囲内で必要最小限にすることや、必要に応じて特定の個人を識別できる記載を削除したり記号に置き換えたりすることも挙げられています。渡す側が情報を絞ることも、対策の一つです。

動画では、撮影した素材そのものに住民の方の姿や声が含まれます。素材の保管場所と閲覧できる人、受け渡しの方法、納品後の保管と消去の時期は、最初の打ち合わせで決めておきます。新潟市の仕様書でも、納品データは「ウィルス対策ソフトにより検査した上で納品すること」とされていました。

後からも使えるように、著作権・肖像権を整理する

公開した動画は、後からほかの部署やイベントで使うこともあります。そのときに音楽の使用範囲や出演の約束の期間が分からないと、動画を活用しにくくなります。

新潟市の仕様書では、出演者を起用する場合は肖像権などの問題が発生しないようにし、権利処理などの手続きは受託者が行うこととされていました。第三者が権利を持つ著作物を使う場合も、必要な手続きを行い、今後の観光プロモーションでの活用に支障が出ないようにすることが求められています。

委託先には、次の内容をまとめてもらうと、庁内での引き継ぎにも役立ちます。

  • 使用したBGM・写真・イラストなどの素材の一覧と、使える範囲(媒体・期間)
  • 出演者の同意の範囲(公開する媒体、期間、二次利用の可否)
  • ナレーションや撮影協力先などの条件

著作権の帰属や、著作権法第27条・第28条の権利の書き方は「動画制作の仕様書の書き方と予算の考え方」で解説しています。

説明に使える資料と、公平・中立な表現

上司や議会への説明に使える資料

担当者の方は、企画から完成後まで、何度も「なぜこの内容なのか」「どんな成果があったのか」を説明します。委託先が説明に使える資料を用意すれば、その手間が減ります。

段階あると役立つ資料
企画目的・ターゲット・伝えたいことを1枚にまとめた企画概要、構成案
制作中進み具合と次の確認予定をまとめた工程表、打ち合わせの記録
完成時成果品の一覧、使用素材と権利の一覧
公開後再生回数などの数字と、その読み取り方をまとめた報告書

報告書は数字を並べるだけでなく、「どの媒体でよく見られたか」「次に改善できること」まで書かれていると、翌年度の予算の説明にもつなげやすくなります。

公平・中立な表現

自治体の動画は、すべての住民の方に向けた情報発信です。「新潟市広報紙の掲載基準」では、掲載しない事項として「政治・宗教・営利性があるもの及びその恐れがあるもの並びに公序良俗に反するもの及びその恐れがあるもの」が挙げられています。動画でも、特定の店舗や商品だけが目立つ構成になっていないか、出演者の発言が特定の主張に聞こえないかを確かめておきます。

東京都が令和8年7月に公開した「男女平等参画の視点に基づく公的広報物ガイドライン」では、次のような点を確認するよう示しています。

  • 仕事、家事・育児・介護、リーダーやサポート役などの役割が、性別で決まっていないか
  • 登場人物の人数や配置が、特定の性別に偏っていないか
  • 文章では性別を限定していないのに、イラストや写真では一方の性別しか描いていないなど、文章と絵がずれていないか

撮影する場面や出演者を決める構成の段階で、こうした視点を委託先と共有しておくと、撮り直しを防げます。字幕や色づかいは「自治体PR動画の作り方」、選挙に関わる配信は「公開討論会・選挙のライブ配信で気をつけること」で紹介しています。

よくある質問

Q. 少人数の制作会社に、自治体の仕事を任せても大丈夫ですか?

見るべきは会社の規模より、案件に合った体制を組めるかどうかです。誰が窓口になり、撮影や編集を誰が担当するのか、外部の協力者に再委託する作業はどこまでかを、最初に説明してもらうと判断しやすくなります。総務省の検討会資料のチェックシートのサンプルでも、再委託には委託者の承諾が必要とされています。

Q. 情報セキュリティの認証を持つ会社でないと、委託できませんか?

求められる要件は、自治体や案件によって違います。たとえば奈良県の「情報セキュリティに係る特記事項」では、個人情報などを取り扱う場合に、ISMSやプライバシーマークといった第三者認証の取得を明示することとされています。募集要項や仕様書の参加資格・特記事項を確認し、分からない点は契約担当の部署に問い合わせるのが確実です。

Q. 見積書を自治体の書式で出してもらえますか?

制作会社によって対応は異なるため、依頼の段階で書式を渡して確認してください。アイフィルムは対応しています。

アイフィルムの自治体案件の実績と進め方

アイフィルムは、新潟県糸魚川市と新潟市を拠点に、映像制作、ライブ配信、イベント音響などを手がけています。新潟県糸魚川市様の「第5回新潟ふるさとCM大賞『ええねか、いといがわ』」や「美山プロジェクト紹介動画」、「フォッサマグナミュージアムイベント告知動画」などの制作実績があり、自治体の案件には入札やプロポーザルで参加しています。

学校や自治体の書式での見積書の作成や、入札・見積合わせが必要な案件のご相談に対応しています。修正の回数と範囲、制作物の利用範囲(媒体・期間・地域)も、事前に取り決めてから進めます。過去の制作物は制作実績にまとめています。ご相談はお問い合わせで受け付けています。

参考にした情報
  • 7年連続いといがわキャリアフェスティバルの音響・映像・会場設営
  • 国家資格二等無人航空機操縦士(夜間・目視外の限定解除)
  • 電気工事士イベントの仮設電源も自社で施工
  • 自治体の案件新潟県内の入札・プロポーザルに参加
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