
「イベントの映像を撮ったものの、一度公開したきりになっている」。観光施設やイベントの映像づくりで、よくある悩みの一つです。
観光施設やイベントの映像は、「どこで、いつ見てもらうか」で効果が変わります。同じ撮影から、使いどころに合わせて何本もの映像を生み出すこともできます。新潟県内の観光施設やイベントの担当者の方に向けて、県の観光統計を手がかりにまとめました。
数字で見る新潟県の観光とイベント
新潟県観光文化スポーツ部観光企画課の「令和6年新潟県観光入込客統計」によると、令和6年の県内の観光入込客数は63,363,172人で、前年の101.5%でした。
| 項目 | 令和6年の数字 |
|---|---|
| 観光入込客数(総数) | 63,363,172人(対前年101.5%) |
| 8月の入込客数(月別で最も多い月) | 9,261,771人 |
| 「行催事・イベント」の入込客数 | 11,415,563人(構成比18.0%、前年比109.5%) |
月別の表を見ると、8月が最も多くなっています。分類別では「行催事・イベント」の伸び率が高く、前年比109.5%となったと報告されています。
にぎわいの映像は、人が集まるその時期だけに撮れる素材です。その映像が一番役立つのは、次のシーズンが始まる前の告知です。この「撮る時期」と「使う時期」のずれを前提に計画を立てておけば、撮った映像を次のシーズンに活かせます。
紹介動画から空撮まで、6つの使いどころ
観光施設やイベントで映像が役立つ場面は、次のとおりです。
| 使いどころ | 主な目的 | 向いている映像 |
|---|---|---|
| 公式サイト・SNS | 来訪のきっかけをつくる | 1〜3分の紹介動画、15〜60秒の短い動画 |
| 館内・会場のサイネージ | その場で案内し、体験を深める | 音なしでも伝わるループ映像 |
| 多言語版 | 海外からのお客様に伝える | 字幕や外国語ナレーションを付けた版 |
| ダイジェストと次回告知 | 実施報告と、次の集客 | 30秒〜3分のダイジェスト |
| ライブ配信 | 来られない人にも届ける | イベント当日の中継、アーカイブ |
| ドローン空撮 | 場所の広がりとにぎわいを見せる | 施設や会場の全景、周辺の景色 |
公式サイト・SNSの紹介動画
公式サイトには、施設やイベントの全体像がわかる長めの紹介動画を、SNSには見どころを切り出した短い動画を置くのが基本の組み合わせです。1回の撮影から長さの違う版を作り分ける考え方はショート動画と長尺動画の使い分け、縦型の作り方は縦型動画の作り方で紹介しています。
館内・会場のサイネージ
館内や会場のモニターで流す映像は、通りがかりの数秒で見られることが多く、音が聞こえにくい環境でも内容が伝わる作りが向いています。展示の見どころや体験の手順、館内の案内などを、大きな文字と短いループで見せます。画面の大きさや設置の高さの考え方は、展示会向けの記事ですが展示会ブースで流すループ動画の作り方が参考になります。
多言語版
観光庁の「観光立国実現に向けた多言語対応の改善・強化のためのガイドライン」(平成26年3月)では、対応する言語は施設や地域の特性、情報の種類によって異なると整理されています。名称や案内の情報は英語の併記が基本、解説の情報も視認性や美観に問題がなければ英語の併記が望ましいとし、施設や地域の特性から必要性が高い場合は、中国語・韓国語などを加えることが望ましいとしています。ホールや舞台を訪れる外国人旅行者に向けては、演目の字幕提供など、美術館・博物館の多言語対応に準じた対応も考えられるとしています。
映像の場合は、字幕を付けた版と、外国語のナレーションを入れた版があります。どちらが向いているか、翻訳で気をつけたいことは多言語ナレーションで外国人向け動画を作るで詳しく解説しています。
ダイジェストと次回告知
イベントが終わったら、当日の様子を短くまとめたダイジェストを作り、実施報告や次回の告知に使います。ダイジェストは、当日に何を撮っておくかで出来が決まります。撮っておくべき素材や構成の型はイベント・展示会のダイジェスト動画の作り方をご覧ください。
ライブ配信
遠方の方や、天候などで来られない方にも、当日の様子をリアルタイムで届けられるのがライブ配信です。配信した映像は、アーカイブとして後から見てもらうこともできます。人が多く集まる会場では、携帯電話の回線が混み合うことがあるため、回線の確保まで含めて計画しておきます。回線の考え方は回線が弱い会場でのライブ配信で紹介しています。
ドローン空撮
施設の立地や、イベント会場に人が集まる様子は、空からの映像で一目で伝わります。ただし、イベント会場の上空など「催し場所上空」の飛行は、国土交通省の案内では、技能証明や機体認証の有無を問わず、立入管理措置を講じたうえで個別に許可・承認を受ける必要があり、申請では場所に加えて日時も特定する必要があります。国土交通省は、飛行開始予定日の少なくとも10開庁日前(土日・祝日を除く)までに申請書類を提出し、3〜4週間程度の余裕をもって申請するよう案内しています。空撮を入れたい場合は、イベントの日程が決まった段階でご相談ください。

季節を踏まえた撮影と公開の計画
新潟は、雪の冬から新緑、夏の海や祭り、秋の紅葉や収穫まで、季節ごとに見せられる表情が大きく変わる地域です。観光施設やイベントの映像は、季節ごとの素材を少しずつためていく計画にすると、1年を通して発信を続けやすくなります。
| 季節 | 撮っておきたい素材の例 | 公開・活用のタイミングの例 |
|---|---|---|
| 春 | 新緑、春のイベント、新しい展示 | 大型連休の前に紹介動画やSNSで発信 |
| 夏 | 海や祭り、にぎわう会場、夜の催し | 当日のライブ配信、終了後のダイジェスト、翌年の夏の告知 |
| 秋 | 紅葉、収穫、食の催し | 秋の行楽シーズン前の発信 |
| 冬 | 雪景色、冬の行事、温泉や冬の味覚 | 冬の旅行計画が立てられる時期に発信 |
「今年撮って、来年使う」を前提にする
イベントの告知に一番使いたいのは、前回のにぎわいの映像です。今年のイベントでは、記録やダイジェスト用の撮影に加えて、「来年の告知に使うカット」を意識して撮っておくと、次のシーズンの準備が楽になります。日付や回数が入らないカットを多めに撮っておくと、翌年以降も使いやすくなります。
冬の撮影は準備と予備日をセットで
雪景色は新潟ならではの素材ですが、低温によるバッテリーの消耗や結露、足元の安全など、冬ならではの備えが必要です。具体的な注意点は雪の撮影で注意したい機材・バッテリー・安全対策にまとめています。屋外の撮影は天候に左右されるため、予備日も一緒に決めておきます。
公開時に確認しておきたい権利と肖像
映像には来場者や展示物、音楽などが写り込みます。公開する前に、次の点を確認しておきます。
| 確認すること | 主な内容 |
|---|---|
| 来場者の肖像 | 撮影していることと映像の使い道を、案内文や会場の掲示、アナウンスで伝える |
| 出演者・スタッフ | 出演してもらう方には、使う媒体と期間を伝えて了承を得る |
| 展示物・作品 | 背景に小さく写り込む程度か、撮影の主な対象にするのかを区別する |
| 音楽 | 会場で流れている曲や演奏が映像に入る場合は、権利の扱いを確認する |
| 空撮映像 | 人の顔や住宅の様子などが写り込んだ場合の処理を決めておく |
来場者と出演者への配慮
来場者が写る映像を公開するときは、撮影の告知と、写りたくない方への対応を決めておきます。受付で申し出を受け付ける、目印を決めておく、編集で外す、ぼかすといった方法があります。子どもが大きく写る場面は、保護者の了承を確認してから使います。肖像権の考え方は式典・記念イベントの記録撮影で詳しく解説しています。
展示物や作品の写り込み
文化庁の解説では、写真撮影のときに背景に小さくポスターや絵画が写り込む場合は、写り込みに関する規定の対象となり得る例とされています。一方、ポスターや絵画を本来の撮影対象として撮った写真をブログに載せる場合は、対象外の例とされています。美術館や展示施設で作品を大きく映す場合は、施設や権利者の了解を得ておきましょう。
空撮映像の公開
総務省の「『ドローン』による撮影映像等のインターネット上での取扱いに係るガイドライン」では、住宅の近くで撮影するときはカメラを住宅に向けない、ズーム機能を住宅に向けて使わないなどの配慮を求めています。人の顔やナンバープレート、表札、住居の外観、洗濯物など、生活の状況がわかるものが写り込んだ場合は、削除やぼかしを入れるなどの配慮をするよう示しています。
依頼前に整理しておきたいこと
映像の制作を依頼する前に、次の項目を整理しておくと、撮影の内容と費用の見通しが立てやすくなります。
| 項目 | 整理しておきたい内容 |
|---|---|
| 目的 | 来訪者を増やしたい、海外のお客様に伝えたい、実施報告に使いたい、など |
| 使う場所 | 公式サイト、SNS、館内のモニター、会場のスクリーン、配信 |
| 言語 | 日本語のみか、英語・中国語・韓国語などの版も必要か |
| 季節と日程 | 撮りたい季節、イベントの日程、公開したい時期 |
| 公開の範囲 | 誰でも見られる公開か、関係者向けか |
| 予算 | 年度内の予算か、複数年に分けて素材をためるか |
すべてが決まっていなくても大丈夫です。「この時期のイベントを、こんな場所で見せたい」というところから、撮影と編集の計画を一緒に組み立てられます。
よくある質問
Q. 1回の撮影で、紹介動画とSNS用の短い動画の両方を作れますか?
作れます。撮影前に、長い紹介動画の構成と、SNS用の短い動画の一覧を一緒に決めておくと、1回の撮影で両方の素材をそろえられます。縦型の版が必要な場合も、撮影前にお知らせください。
Q. 会場にインターネット回線がなくても、イベントをライブ配信できますか?
衛星回線と複数のモバイル回線を束ねる方法なら、会場に回線がない場合も配信できます。人が集まって携帯回線が混み合う会場から、この方法で配信した実績があります。
Q. 英語版や中国語版の映像も作れますか?
はい。翻訳からナレーターの手配、収録までお受けしています。日本語版の映像をもとに、外国語のナレーションや字幕を付けた版を作ることもできます。
Q. イベントの音響と撮影をまとめて頼めますか?
はい。音響PAと撮影・配信を同じチームで担当するので、窓口が一つで済みます。会場の音響から音声をもらうことで、挨拶や講演の声もはっきり記録できます。
アイフィルムの観光・イベント映像
アイフィルムでは、新潟県糸魚川市様の「フォッサマグナミュージアムイベント告知動画」、新潟県糸魚川市観光協会様の「漁師密着動画」など、施設のイベント告知や観光に関わる映像を制作しています(制作実績)。地域の中学生向けキャリア教育イベントでは、音響・映像・設営を毎年継続して担当しています。学校・教育イベントでは、当日の様子をその場で編集してイベントの最後に上映する「撮って出し」の映像も制作できます(学校・教育イベントの音響と映像)。
ライブ配信は、カメラ1〜2台・配信2時間までのライト配信で6.5万円(税別)からです(ライブ配信)。ドローン空撮は二等無人航空機操縦士の資格を持つパイロットが担当し、1フライト(約20分程度)あたり3万円台からです(ドローン空撮)。多言語ナレーションは1時間の収録で111,000円〜(税別)、展示会やイベント会場で流すループ動画の制作と、モニター・プロジェクターの設置もまとめてお受けしています(展示会・ポップアップ設営)。
次のシーズンに向けた撮影計画づくりから、お問い合わせで承ります。


